シカ痕跡観察会

自然保護部の観察会で、五葉山南東にある夏虫山と大窪山へ、ニホンジカの痕跡を見に行きました。
近年岩手県では、五葉山周辺だけに生息していたシカが県内各地に分布を広げています。
その結果、各所で農業・林業被害の他、早池峰山では高山植物の食害も引き起こし、大きな問題となっています。

当日は夏虫山の車道沿いでシカ糞とササの食害痕を観察しました。
大窪山頂直下では多数のシカの糞(写真1)、シカと思われる足跡(写真2)、獣道を確認しました。
山麓の農地の多くは被害防止ネットに覆われていて、被害の深刻さを感じました。
天気が快晴であったためかシカ自体を見ることができませんでしたが、五葉山周辺においてシカによる被害が常態化している現状を確認しました。

写真1:シカの糞


写真2:シカと思われる足跡

現在シカは県内のほぼ全域で確認されており、盛岡市においても徐々に食害が見られ始めています。
今後、このままでは今被害のない県内各所も五葉山周辺と同様の状況になることが予想されます。シカ被害を未然に食い止めるための早めの対策が望まれます。
皆さまも是非シカの現状に関心を持っていただき、目撃や痕跡の情報を見つけた県に積極的に報告するようにお願いいたします。(なお、岩手県ではシカに関する情報を収集しています。)

おまけ。夏虫山はとても眺めの良い山でした。(写真3、写真4)


写真3 夏虫山山頂より五葉山を望む


写真4 夏虫山山頂より吉浜湾を望む